狆(チン)

狆とは

日本原産の犬種として非常に古い歴史を持つ狆は、
現在でも非常に飼育しやすい室内犬として人気があります。
狆(「けものへん」に「中」)という名前が示す通り、
部屋の中での飼育を前提に考えられた犬種であり、日本で最古の愛玩犬でもあります。

狆が日本に伝わったのは8世前半、日本では聖武天皇の時代だったと言われているのです。
狆のルーツは正確には不明ですが、おそらくは小型のスパニエルが
シルクロードを経て中国に入り、ペキニーズなどと交配をして誕生したと言われています。
その犬が韓国の新羅から献上されたのが、国内で最初の狆になります。

非常に小型の狆は室内でも飼育しやすいということもあり、貴族の間で人気が高まり、
江戸時代には大奥でも飼育されていたという資料が残っているのです。
また、お金持ちの商人の間では狆を飼うことが流行し、
狆がお金持ちのシンボルとして扱われていたとも言われています。

狆は日本原産犬種として、
はじめて海外のケンネルクラブに公認されたイヌとしても知られています。
日本で飼育されていた狆が海外に出たのは1853年、
黒船で知られるペリーが浦賀に来港した際に入手し、
イギリスのビクトリア女王に献上したのが最初だとされているのです。

しかし実際には、それ以前から貿易商などによって少しずつ持ち出されていたようです。
ヨーロッパに渡った狆はその独特な風貌と珍しさから人気となり、
今でもアメリカでは安定した人気を誇っています。

狆にはペキニーズの血が入っている可能性が高いと言いましたが、
容貌もペキニーズやシーズーと非常によく似ています。
鼻が非常に短く、上を向いていて、両目は凹んでいるのです。
体型は正方形に近く、表情は非常に知的です。
特徴的な被毛は非常に長くて柔らかく、絹糸に例えられるほどしなやかになります。
また、胸や尻尾などには飾り毛があり、とても優雅な外見をしています。

性格

性格的には非常におとなしく、大騒ぎしてはしゃぎまわったりすることはほとんどありませんし、
小型犬に多く見られる無駄吠えなどもありません。
飼い主に従順なのは当然ですが、見知らぬ人に対しても吠えたりすることなく友好的で、
他の犬や動物とも喧嘩することなく仲良くなることができます。
かなりマイペースなところもあって、イヌよりもネコっぽい性格と言われることもあります。

このように、狆は室内でとても飼育しやすい犬種です。
長い被毛が特徴の狆ですが、抜け毛が少なく、体臭もほとんどなく、
噛み付いたりすることもありません。
それほど運動量も必要ないので、散歩もあまり必要ありません。
部屋の中でちょこんと座ってじっとして過ごしていることも多く、
行儀が良くて手間のかからない犬種と言えます。

健康管理のコツ

ただし、鼻の短い犬種に多く見られる心臓疾患や呼吸器系の病気が比較的多く、
また、暑さにも弱いので、夏の暑い時期は散歩などはさせないようにしましょう。

さらに、健康面に関しては肥満している個体が多く見られます。
運動量があまり多くないので、エサやおやつを与えすぎると太りやすい傾向があります。
肥満になると、心臓に負担をかけることになるので、
食生活のコントロールをしっかりとしてあげましょう。